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業務連絡の様な物ですが

 

本日、牛刀と筋引きを受け取りに来て頂いたM様、昨日も直接お持ち頂き、てっきりお近くかと思っていましたがそうでは無かった由、恐れ入ります。

本日お渡しする際、之までの通例に従い(ノートパソコンで取り込んだ)研ぎの前後の拡大画像を確認頂きたかったのですが、丁度その時に固まっていて果たせませんでした。そういう訳で、お目に留まるか分かりませんが画像を上げてみます。全体や詳細はお断りしていない手前、省略します。

 

牛刀 刃部アップ 研ぎ前

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牛刀 刃部アップ 研ぎ後

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牛刀 刃先拡大 研ぎ前

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牛刀 刃先拡大 研ぎ後

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筋引き 刃部アップ 研ぎ前

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筋引き 刃部アップ 研ぎ後

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筋引き 刃先拡大 研ぎ前

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筋引き 刃先拡大 研ぎ後

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後で気づきましたが、逆向きの画像の方が良かったようです。双方右側を(筋引きは元からの構造に従ってですが)厚みに対応する為、小刃の幅を超えて肉取りをしました。それにより右は初期のオーソドックスな小刃付けから、緩いハマグリに僅かな糸引きとなりました。更に広範囲に研ぎ面が出る為、外観の纏まり上、大部分は天然入り人造仕上げ+刃先側2㎜程の天然仕上げ(黒蓮華・大谷山)にしました。

刃先の構造上の違いによる好みの評価は変わるかも知れませんが、斬れ味以上に刃の通りと抜けが向上していると思います。特に筋引きは魚を対象としているように見受けられたので、刺身もやりやすく仕上がる様に研いだつもりですが、双方共に何か有りましたら御連絡頂きますようお願い致します。有難う御座いました。

 

魚介類まとめ買い

 

近所のスーパー四カ所の内、二カ所はまずまず魚介類が充実しているので、そこへの買い出しの折りには入荷状況にも依りますが、数種類のまとめ買いになる事が多いです。今回は、鯨の生食用とツブ貝の刺身その他を購入しましたが、手間無く食べられる上記二種を食べてから残りの準備を始めました。

下の画像は、刺身用剣先イカが安かった為、イカサキで裁いてみた所です。当然名前通りに使いやすく、確実な切れが出ていればこの刃渡りで結構な相手でも充分刺身包丁として通用します。

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身の裏は格子状に皮一枚切れ込みを入れ、糸造り的に。えんぺらとゲソは皮を剥いて適当な大きさで。あと、カラスと呼んだりする嘴の周り。

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更に、わたの中でいけそうな所を煮てみました。

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次に小鯵を開いて塩を振り、キッチンペーパーで包んで翌日焼いたり揚げたりに備えるわけですが、この際同時に粉末塩麹も振っておくと風味の劣化が少なく、身の保水性も増す様です。解凍した鶏肉のドリップを除去する為にペーパータオルで包む時にも同様にする事で、食感・風味共に改善できます。

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以前テレビ番組で、ある会社から鮪漁船に同行研究する社員の話題が在り、目的はPH調整剤か保存料についてだった様で、しかも食品添加物表示には当たらない分類をされているとの事でした。つまり捕られた次の瞬間からそういった物とは無縁ではいられない現状なのかも知れませんが、普段の食生活の中で出来るだけ加工度合いの低い食品を選ぶ事で、身体に掛かる負担を減らして行くべきかなと考えます。そういった意味では、カット・漂白されていない丸のままの野菜と同様に、調理・加工済で無い丸のままの魚の割合を増やしていくのが近道ではと思います。僅かな量で割高なカット済みに比べ、上手く使い切れば経済的で、安全性も確保しやすい丸のままの素材を自らの手で調理する事は、もっと重視されるべきでは無いでしょうか。

 

 

亀岡周辺はいいところ

 

勝手に桜の名所認定

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上の画像は、大阪から亀岡に向かう道沿いにある、自分が一~二年前から勝手に「ぷち千本桜」と思っている場所です。道中には、公園・川沿い・小学校や神社付近に大きな古木の単独や小ぶりな若木の集団・一列縦隊という、絵になる桜が多数存在しますが、地形を活かしたこの場所はスケールと合わせて個性的です。勿論、有名どころは妙見山ですが。

 

下の画像は同日、砥取家さんと合流して、嘗て採掘していた休眠中の山へ下見に訪れた際の物です。此方は採掘権云々でなく、砥取家の持ち山だと言う事です。後日、研ぎ文化振興協会から行政への説明として、担当の方々とも再訪した場所です。

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大小数カ所、採掘跡が在りました。

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そして、下の一つ目は様子見のサンプルとして、付近で切れっ端を採取して面を付けた物です。他の二つは比較用の君谷(休眠中)と大谷山です。

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サンプルで持ち帰った物は薄層に剥がれ易い状態の、はつって落とされた部分の様でした。その為か野晒しによる風化、或いは冬場の凍てによってかやや脆さを感じ、上図の大谷山や君谷よりも硬さ・細かさで及ばないものの、通常使用には問題無い範囲と思われます。それは、下の普及品の切り出しによる試し研ぎ画像でも明らかでしょう。今後の再採掘にも期待が持てるといった所でしょうか。

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ご依頼頂いた麺切り

 

包丁を見ると、かなり御自身で研ぎ込んでおられた様子でしたので、余り荒い砥石から掛けず、鋼部分の研ぎ傷を大まかに取る為、地金部分を避ける様にキングハイパーを使いました。以後は中仕上げから仕上げ、最終仕上げの天然砥石です。

 

まず最初の状態 全体像

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刃部 アップ

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裏 全体像

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表・前方 刃先拡大画像

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表・後方 刃先拡大画像

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名倉砥石(三河ボタン)にて研ぎ 全体像

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刃部 アップ

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巣板にて研ぎ後 全体像

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刃部 アップ

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小割の巣板にて均し・化粧研ぎ後 全体像

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刃部 アップ

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表・前方 刃先拡大画像

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表・後方 刃先拡大画像

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最初から細かく鋭い刃先になっていたのですが、切り刃の厚みにバラツキが有りました。中央がその前後よりもやや厚く、加えて後方の鋼部分の角度が他と差がありました。後は刃先手前の範囲で少し表側凸でしたので、木槌で軽めに叩いた後は研ぎで揃えていきました。

切れ込みは元々かなり良い状態でしたので、抜けに対してブレーキの掛かる切り刃の厚みの不均一を取り、刃金部分の角度のバラツキ・傷を揃え、刃先の糸引きの角度調整と精度向上で行こうと考えました。途中まではほぼ予定通りでしたが、最後の刃先の仕上げで予想外に返り(バリ)が取れにくく、苦労しました。

通常は、天然仕上げ砥であれば既にその時点で返りは出難く、特に超仕上げに値するカミソリ砥クラスでは、最後に軽く紙で撫でれば取れるものです。にも関わらず、200倍で確認すれどもすれども取れにくい鋼材でした。巣板・合砥・鏡面系の最終仕上げ砥を単体や組み合わせで何種類も試し、敷内曇りからの鏡面青砥(共名倉に柔らかめ一本松・戸前)でやっと返りが消えてくれました。此までの白紙の返りの取れ方や切れ方とは又違った刃物で、色々勉強させて貰いました。

 

知人に代わり、預けられていた包丁を簡単に

 

研ぎ前の状態

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刃部のアップ

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最大の欠けの拡大画像

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研ぎ後の状態

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刃部のアップ

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最大の欠けの拡大画像

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知人が研ぎを頼まれていた包丁です。あまりに長くなっていた様子なので、簡単で良ければ、代わりに研ぐけれどと申し出ると、宜しくとの事で研いでみました。

傷・汚れ・欠けを取るのを一通り行いましたが、切れ込み・抜けは大きな問題が無かったので、当初の予定通りに調整無しで略式です。

拡大画像は、約200倍で一番大きな欠けを撮りました。研いだ後、その部分の痕跡が残る物の、他の欠けが消えた時点で完了としました。普通に使うには充分以上の状態だと思います。

 

切り出しの本刃付け

 

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画像は数年前に注文し、砥取家の土橋さんにプレゼントした切り出しで、携帯で撮ったので鮮明ではありません。

初めは切り刃と裏を除いて、がさがさした焼き肌で、それを落とす所から出発しました。ペーパーや研磨剤で磨いていき、ガンブルーで染め、更に軽く磨きました。又、裏梳きも研ぎ目を消し、磨いてあります。(主に研ぎ最中と保管中の錆対策です)

粗砥(電着ダイヤ400/1000と240番)から人造中砥、天然中砥、巣板・合砥・カミソリ砥で仕上げました。研ぎ肌の見本も兼ねて、完成時より、やや鋭角に研いであります。

最後の2枚は、数ヶ月前に錆や刃毀れが酷かったので、ほぼ取れるまで修正の研ぎを加えた時の物です。

新品から、いきなり完全平面の鏡面仕上げを求めると、刃先が出てからも更に研ぎ下ろしていかないと均一な面が出ないので、勿体ない事になります。普通は、使いながら研ぎ直す度に平面度を上げていくのが望ましいでしょう。それまでは霞仕上げで追い込んでおいて、いよいよ整ってからは勇躍次の段階へ。と言う具合です。純然たる観賞用で無い限りは、研ぎ費用の面からも、刃物の寿命からも、その方がお勧めです。