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近所の和菓子店にて

 

少し前に、近所の行きつけの和菓子店に寄って来ました。買い物と、来月のツーリング打ち合わせを兼ねてでした。

定番の生麩餅を頼んだ所、マスカット大福も。他には釣り好きの御客さんが度々持ち込まれる、御裾分けを頂きました。丁度、準備が出来て持って行く所だったとかで。

 

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初めて切ってみましたが、マスカット大福の数倍の難易度ですね。片刃故に左の断面は、より真っ直ぐに切れています。両刃の洋包丁では左右から等しく引っ付かれました。

余り形状の整っていない廉価な菖蒲(正夫)であり、裏も広がっては居ますが両刃との違いは現れた様です。尤も、餅などで無ければ此処まで粘着しないので結果の差は小さいですけどね。

 

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以前はペティで切りましたが、此方は先ず先ず綺麗に切れていますか。

 

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此の状態で貰って来ました。

 

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私は頭周り以外では、尻尾が一番好きですので早速此方から。胴体の方は、背側をスライスして塩、その後千鳥酢とレモン果汁で締めました。腹側は塩を振って置き、翌日に酒と醤油で付け焼きに。何れも美味でした。

 

 

丁度、北海道のT様からの御依頼品の四本に取り掛かる所でしたので、応援して貰った様な気持ちにも成り、有難かったです。中には手強い物も混じっていますが、頑張れそうです。

 

 

 

 

 

昨日も「きしな屋」さんへ

 

これで4~5回目に成りますが、昨日もきしな屋さんへ出掛けました。何時もと違っていたのは岸菜さん御本人と会えた事です。早速、事前に相談していた通りに砥ぎ上げた椿包丁を御渡し。状況に応じ、店舗にて試し切り・研ぎ見本・包丁の広報活動その他に御活用頂きたいと思います。

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幾つか、お聞きして置きたかった項目の打ち合わせも出来ましたので、出張の邪魔はそこそこに留めて食料調達へ移行。前回も買って帰ったものの、両親宅へ持参したまま置いて来たので買い直しです。

 

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もう一つ、丼の素の真空パックも・・・と思ったのですが、自宅では稀にしか白米を炊かないので上画像のみに。

 

 

 

代わりに、全粒粉のパン等で御気に入りの店で購入の此れと組み合わせます。他は有り合わせの野菜で。

 

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焼きたてと言う訳でも無いのに、表面の一部は未だ可成りの硬さです。

 

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水から茹でたメークイン

 

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温泉の塩と黒コショウ。他には、安い時期に大量に茹でて冷凍して置いたパセリを刻みます。余り劣化していなくて幸いでした。

 

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其れを荒く崩して付け合わせに。ここに玉葱と肉を刻んで炒めた物を加えて、コロッケにする事も有ります。

 

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スライスしたトマトと、ちぎったレタスを

 

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此れの切り分けた奴と共にパンの上に

 

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しっかりと鶏に味が付いている(其処に拘った製法だそう)ので、特に塩分やマヨネーズ・ドレッシングの必要は無さそうです。

 

 

 

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今回使用した包丁。手持ちでは少ない白紙一号で、結構硬焼きの印象です。他には白疾風の柳くらいですが、彼方は幾分まろやかかと。

白一やスェーデン鋼は金属組織的に、対象に掛かりが良いのは結構なのですが俎板によってはカシカシする感触で好みが分かれる気がします。

 

 

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使用後の錆びや変色は、たかが知れていますが矢張り炭素鋼にフランスパンの硬い部分は辛いですね。鋼材の硬さや刃角度の影響も大きいですが。

 

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殆ど新品であり、焼き入れ時の温度変化を強く受ける刃先に脆い部分が残っている可能性も有ります。

 

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何れにしても最低限の減らし方に留めていた刃先形状が、今回の研ぎで結構整ったので今後は幾分安心して使えるでしょう。

 

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使いつつ、御手入れとしての研磨で状態が整って行く分には、研ぎ減りも余り気に成らないので精神衛生に寄与します。勿体無い病は厄介ですね。単に希少な包丁・砥石だけで無く、お気に入りに対しては特に。

 

 

 

 

 

貰った茄子で

 

この前の日曜に、両親の家に届け物をしました。古い家電が故障したので、代用品を持って来て欲しいと言われていたからです。

所謂テレビデオと言う奴を運んだ帰りに、野菜を数種類貰ったのですがその中に、自分では余り買わない茄子が。予想通り最後まで残ったのですが、傷ませる訳にも行かないので久々のメニューを。

 

 

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基本の作り方である豚肉仕様よりサッパリさせたかったので、先ずは鶏肉(胸肉)を粉末塩麴で一晩寝かせます。其れをスライスの後、微塵切りにしてミンチ状に(因みに、私はハンバーグもモクモクの豚肉の塊から同様に刻んで作ったりします)。

刻み仕事でのポイントは、切れ味と永切れを両立した包丁を使う事です。特に、硬目のプラスチックの俎板は刃持ちが悪くなる代表的な原因になります。しかし、木材の俎板では細菌の感染などが懸念されるので洗浄・殺菌に耐える樹脂製品は外し難いでしょう。

そこで悪条件下でも性能を発揮してくれる、頼れる包丁が重要に成ります。しかし、幾ら上質な鋼材を適正に熱処理した製品でも、研ぎ方と砥石の選択無しには効果を発揮出来ません。相応しい扱いが肝要です。

 

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古くなっていたので、例の50°洗いで。

 

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少しシャッキリしたかと

 

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適当なサイズにカットです

 

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風味付けに、冷凍保存していた大蒜・生姜もカット。甘焼きなら兎も角、硬度の有る炭素鋼では低温脆性が気に成る物ですが、低温且つ硬くなった対象にも問題無く切り込み、刃先に損耗も生じず。

手持ちの司作としては、初期刃付けの状態も有って最も薄い切り刃の包丁でしたが、この点でも頼りに成ります。

 

 

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途中でカタクリ(馬鈴薯でん粉)が切れているのを思い出し、代替として葛を用意。水で溶いておきます。

 

 

通常、茄子は油通しが下準備と成るでしょうが、一般家庭では其処まで潤沢に油を用意・使用するのは困難だと思われます。ですので私は少な目の油で炒めつつ、酒を振り掛けて半ば蒸し焼きにします。

茄子を取り出してから、大蒜・生姜を炒めて肉を投入。火が通って来たら豆板醤・豆鼓醤・甜面醤・醤油などの調味料で味付け。出汁(出汁の素と水でも)を加えた所に茄子を再投入。加熱後、仕上げに水溶きカタクリ(今回は葛ですが)でトロミ付け。

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思ったより多かったので、皿も大きい物で。

 

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此の位で収まる予定だったのですが。

 

 

 

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使用後の包丁ですが、平は研磨剤・切り刃は天然仕上げ砥で処理してあったので、此の程度の作業では殆ど錆や変色も出ず。刃先の傷みも無視出来る程で、同じ工程を数回行なったとしても切れに不満が出る事は無さそうです。

 

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普通は、このまま数回以上に亘って使い続ければ良いのですが、気持ちの問題で研ぎ直しておきます。と言っても、超仕上げ砥で刃先を軽く撫で、その砥石をダイヤで数回擦って面を直し、その際に出た泥で全体を拭うのみです。時間にして数分の手間です。

上画像と比較しても違いは一部の薄い点錆びの除去・目視可能かどうかレベルの刃先の一部の荒れ修正のみ。判別は困難です。

 

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永切れする包丁は研ぎ直しの回数が少なく、長持ちに直結します。手入れのサイクルも長く取れるので(私は頻繁にしてしまいますが)手間要らずでも有ります。

其の上、切れ味が良ければ使用中の体の負担が減るばかりで無く、気分的なストレスも減ります。寧ろ、楽しみにさえ成り得ますので御薦めです。勿論、必要であれば適切な研ぎで性能を引き出してやる事も視野に入れなければ成りませんが。

 

 

 

 

 

「きしな屋」さんで購入の品

 

きしな屋さんで、幾つか購入した商品の最近の使い道です。真空パックの調理済み鶏肉や、生素麺は当然の様に消費済みですので、主に調味料ですが。

 

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此方は珍しい天然塩。海塩でも岩塩でも無く、温泉由来の塩で製造法も特殊です。温泉の熱で煮詰めたとかで、エコでも有りますね。

幾つか食材や調理法を試したのですが、塩単体で或る意味、完結している味ですので本来的な相性を探すのは結構悩みます。例えばトマトに掛けるだけでは、引き立て合ったり並び立ったりで互いを活かすタイプでは無く、探り合いの様相を呈します。(トマトにはカマルグが合うと思います)

複雑玄妙な味が活きるのは寧ろ、個性が薄くて風味が控え目な素材と合わせる事でしょう。肉であれば牛モモ肉や鳥ムネ肉。と言う訳で、好みの料理である牛モモたたきに使用しました。

 

 

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1パックの肉を半分に。上下の面に温泉の塩を振ります。全面に振った時には濃過ぎましたので、その経験から。

近隣のスーパーでは近頃、アンガス牛が安いタイミングが有るので、偶に購入して作ってはいました。いつも使っていたのは手持ちのアンデス紅塩やモンゴルの塩。醤油はチョーコーです。

此のメーカーの特に薄口醤油には散々、御世話になっており殆ど此れを主軸に使っています。塩分調整は天然塩の追加、風味の強化は減塩の濃い口で。

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今回は、購入して来た二種類の内の此方。簡易ポン酢は下の果汁と合わせて。市販品ではひろたの物が好みですが、自作の簡易版も面白いものです。

 

 

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普段はレモン果汁にチョーコー薄口辺りですが、吟醸純生醤油とシークワーサー果汁を。一緒に購入しましたが、予想は付き難かったですね。

 

 

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もう一つは、少し先の御楽しみで。

 

 

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包丁も同じ出元の椿包丁。未だ切り刃には凹凸の名残りが有りますが形状や傷消しも合格ラインに来ましたので、試し切りも兼ねて。当然の事乍ら、問題無く切れますし、風味の低下も気に成りません。青紙ですから、厳密に比べれば白紙との差は有ると思いますが。

風味の劣化防止以外にも砥ぎ肌を細かくした効果は、塩分を含んだ肉汁の付着に対しても錆・変色の影響が低下。勿論、その除去時にも貢献してくれます。

レモンと薄口によるクリアで尖った味も良いですが、濃い口とシークワーサーの組み合わせは奥行きと幅を感じさせる柑橘のイメージ通り、抑制が効きつつも濃さを活かした味付けに。温泉の塩と併せて、バラエティーが広がりました。

 

 

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使用後の手入れも完了です。使っては砥いで、を繰り返すほどに姿かたちを含めて状態が整って行きますので、完成形に近付いていく過程は楽しいですね。

出来上がると他の未完成に意識が向いてしまうので、何時まで経っても仕上がらないガラクタと四苦八苦する時間が長くなりがちです。何とか性能を底上げしてやろうとの試みは、飽きないし勉強に成る面も否定できないですが、一番は妙な愛着が湧くからかも知れません。

 

 

 

 

後、御知らせですが司作の柳が進んで来ましたので、私の希望の仕様にする為に柄などの確認を経れば、御待ち頂いていた御依頼主に届けられそうです。(紫檀八角柄の予定)

昨日の電話での打ち合わせで、数本が準備出来つつありますが当方の事情に合わせて一定期間毎、断続的に送って頂く事に。最終的な研ぎは任せて頂けるのを前提に余白を残した状態で到着(此も初です)。到着後の研磨作業完了次第、販売可能となります。

京都のH様には、御都合に変わりが無ければもう少しで(一本とか二本づつではありますが)御案内が出来ると思います。北海道のT様には、御希望のサイズの事も有り、もう少し先に成りそうです(何とか適う物は有るそうで)。小西さんには、それら一巡目の最終盤に成ってしまいますが、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

珍しい来客

 

二か月ほど前でしたか、小西さんから御話しが有った件で、一昨日の日曜は「きしな屋」の岸菜さんが宮崎さんを伴って御来訪。

宮崎さんは五島列島で「宮崎鍛冶屋」を営む若い鍛冶であり、椿包丁で有名な方。単に民家で内職程度の装備しか無い拙宅では余り面白みも無いとは思ったのですが。

先ずは紅茶と和菓子を用意しながら、挨拶と話すべき内容、質問項目などを打ち合わせ。

 

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次に研ぎ仕事から見える、刃物の仕上がりに反映する鍛冶仕事の精度や完成度、其処を目指す為に必要な工程に付いて等を話し合いました。

宮崎さんの仕事に対する姿勢・研究熱心さは成る程と思わされる物でしたが、驚いたのは究極の目標とも言える環境整備?です。極言すれば、電気の供給が無くても作業可能な設備と、使用する道具も手作りしたいとの事。例えば鑢なども自作を目指しているそうです。

広範は研ぎに関しての話題が多くなって行き、使用する人造砥石に付いて・天然中砥の御薦め・傷を消す際の手法等、個別の質問や意見の交換に。その流れで、食味に与える鋼材や砥石の違いも体験して頂きました。

 

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偶々、家に在ったトマトで鋼(炭素鋼)とステンレスの違い。双方、天然仕上げ砥石で砥ぎ上げたペティです。やはり鋼の方がえぐみや酸味を感じにくいとの事。

 

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続いて、同じステンレスペティですが、一方は其の場でキングの8000番で研ぎ直した物。此方も天然砥石の方が好印象で、同じ仕上げ砥石同士でも此処まで違いが有るとは予想外といった反応。

 

 

 

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最後は手持ちの包丁等で試し切りの披露。私が依頼を受けた刃物は、此れに準じたテストと刃先の拡大画像での確認をパスしてから御返送に成ります。紙の一枚・二枚を切るだけでは、刃先のしかも一回の切れのテストにしか過ぎません。厚みや粘りの或る対象を、まな「板」の上で繰り返し切る包丁のテストとしては不足ですので、此れをパスした後に研ぎ直して完了とします。

宮崎さん御持参の(鍛造と研ぎを改良済・巣板仕上げ)椿包丁・私が今回に備えて購入後、砥ぎ上げて置いた椿包丁・水野鍛錬所の廉価版相出刃・司作三徳・自作の菜切りでトライです。

結果は研ぎ方や使用砥石の違いを感じて頂けた様です。宮崎さん御持参の椿包丁(巣板仕上げ)を、自宅の同等品と思われる巣板で研ぎ直して試して貰ったり、更に若狭の戸前で研ぎ直して試して貰ったり。その差を実感して頂けて良かったです。

改良版の椿包丁は、刃先の研ぎ上がりに比して予想される以上の性能で、確かに改善されている印象。特に鋼の焼き入れが少々、硬度が高目に成っていたので粘りは充分ながらシャキッとした刃先に。刃体の薄さ・切り刃の薄さと相俟って、通常は切れに不足は感じないでしょう。

後は、研ぎに拘る方向けとして研ぎ代(とぎしろ・削り落とせる余分な厚み)を残した方向も勘案頂きたいと要望しておきました。そうすれば現状少ないとは言え、切り刃の凹凸や砥ぎ肌の傷を無くすのに、薄くなり過ぎる懸念を払拭してくれますので。

兎も角、今回の御訪問は三人揃って意義深い意見交換会となりました。今後の活動に於いて、様々な情報発信・協力関係に活かせて行ければと思います。御二方には御訪問、有難う御座いました。今後とも宜しく御願い致します。

 

あ、お土産に頂戴した五島のはっちかんかん(八匹雷)とオーブンラボ?のレアチーズみたいなのは美味しかったです。感謝です。

 

 

 

 

 

昨日の講習

 

月に一度、神戸から御出で下さる受講者の方の包丁。使いながら研ぎの練習も兼ねて、メンテナンス以上の手入れを実践されています。

 

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画像の出刃は、初見で切り刃の厚みのバラつき・刃線のS字カーブ・大小の欠け・裏押しの乱れが顕著でした。程度の差は有れど何れの問題点も改善が見られ、努力の結果が現れています。

 

 

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とは言え、依然として切り刃の切っ先下・刃元上の厚みが抜けの抵抗に成っており、刃線のS字も健在。ですので私が軽く修正し、その砥ぎ目や研ぎ面が研ぎ進めて貰う際のガイドとなるべく方向付け。

 

 

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研承の400と緑1000、白の1000まで砥いだ所でバトンタッチ。

 

 

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キングハイパーと白3000で砥いで頂きます。

 

 

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其の後、白巣板で仕上げ研ぎの練習。最終仕上げとしてカミソリ砥も当てます。刃先の切れに関しては充分な状態の場所が大半を占める包丁に成りました。

他に気に成る点としては、切り刃の研ぎ斑への対処・平の磨きだそうで。ペーパー等は揃えつつ有ると聞き及んでいましたので、軽く見本を示して小割りでの切り刃の均し研ぎも披露。布のペーパー?と小割りした巣板で、御自宅でも実践して頂きましょう。

 

 

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銀三の柳も改善傾向。但し、この包丁は切っ先側数センチが強く反っているので難敵です。戻しても徐々に反って来ます。

回数を重ねる程に研ぎの安定性・力加減が上達し、基本的な注意点の把握も進んでいます。其れを示す様に包丁の状態も悪化している部分も無く安心しました。

癖の付いている包丁を修正するのは、正確な形状の包丁を維持しつつ研ぎ進めるのの何倍も大変です。とても、自身の研ぎ癖を放置したままでは務まりませんので、早々に最適化された動作への移行が求められます。

その渦中にあって、悪化させずに維持しているだけでも御の字、改善しているとなれば重畳でしょう。やはり、目的意識が明確で強い事が後押しと成っているのでしょう。S様には、此の調子で今後も頑張って頂ければと思います。有難う御座いました。

 

 

 

 

 

昨日の講習

 

初めて自宅での講習を受講頂いた神戸の方から、二回目の御予約を頂いていたのですが。生憎と昨日は、朝から大きな揺れに見舞われた影響により、JR・阪急・阪神の全てが止まったとの事で実現が危ぶまれました。人的・物的被害や広範なライフラインの問題が報道されていたのですが、業務の合間を縫って休みを調整下さった予定を無駄にさせては申し訳が無いので、車で迎えに行く事に。流石に、其れなり以上に渋滞は有りましたが無事に講習に取り掛かれました。

先ずは一息入れる為に珈琲を淹れ近況を聞きながら、前回にも御持ちだった柳と出刃を拝見。現状の問題点を指摘しながら大まかな修正研ぎを施します。柳で特に問題に成るのは、刃先に見られる大小さまざまな欠け。最大は切っ先カーブ上に出来た1~2mm×5~6mmの、路肩の崩壊的な部分まで。刃線の繋がりを崩さない様に注意しつつ整えます。二つ目の課題は切り刃の面を形成する角度が、全長に対して4:6の割合で二種類の合成に成っています。

此れは刃体その物が少々歪んで居たり、初期刃付けの精度の影響も考えられますが、直線部分よりも安定させるのが難しいカーブ周辺を研ぐ際にブレが抑えられない為でしょう。前述の歪みや刃付け精度次第では、仮に平面管理の行き届いた砥石で砥いでも、成り行き任せでは改善して行かない場合が多いので、難しいですが意識的に理想形に近付ける努力が求められます。

切っ先に向かって厚みを漸減させつつ、厚みの凹凸を均して行くのが基本です。其の過程で、如何に面の精度や連なりを破綻無く纏められるかで走りや抜けに影響して来ます。今回の柳は特に、「ほぼベタの切り刃に糸引き」路線での完成を企図していますので、設定する切り刃と糸引きの角度・糸引きの面積が目指す仕事の要求に直結し易いです。つまり、誤魔化しが効き難い。成功と失敗がダイレクトに反映されるので、じっくり取り組んで頂ければ得る物も大きいと思います。

 

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研承の400で修正を施しバトンタッチ。御自身では、研承1000の白と緑の二種とキングハイパーの二種で練習。

硬い砥石で切り刃の砥ぎ肌が段々に成るのは、砥石の面と切り刃の面を広く当てられていない。或いは広がって行く様に当てられていない証拠です。

慣れてくれば、切り刃の凸部と砥面の凸部を狙って双方減らしたりも出来ますが、それ以前の段階では少なくとも面の出ている砥石で面の出ている切り刃を全体的に当てられる必要が有ります。

其の手助けの意味で、研承の後でキングハイパーを当て、広範囲研ぎの感覚を掴んで貰いました。但し、ハイパーは甘やかしてくれるので注意です。硬いのに戻ると現実を知れます。

 

 

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初期に比して、刃先・刃線・切り刃の面構成の何れもが改善して来ました。切っ先へ向けて上昇する影みたいな面が、この先も伸びて行けば上手く研ぎつつ使えている印に成るでしょう。

 

 

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先の柳もですが、此の出刃は更に裏押しの精度が不正ですので、現状に合わせて処置しつつ、使いながら改善して行かねばなりません。上画像の段階まで進めるのも中々に大変でしたが、刃元から六割程度は安定して刃先まで当たって来ました。

加えて此方は、砥石に対して切り刃の当て方を若干、ハマグリにしてみました。特に気に成ったのは切っ先カーブの辺りが、鎬筋を上げて行って有るのにも関わらず抜けが悪い点。僅かに厚みを抜きつつ、漸減させる事を強調した仕上げで切れの違いを体感して頂きました。

取り敢えず厚みを抜く事は、見かけ上の抵抗が減り易いので頼りたくなる物です。しかし使用目的が決定済み(兎に角薄さが必須とか)で無い限り、刃体強度と多用途への発展性を捨てるのは勿体無いでしょう。削り代(しろ)は残して置くのが吉です。又、幾ら薄くしても厳密な比較をすれば、其の薄い刃の面の中に存在する凹凸の有無が問題と成るのは変わりませんし。

 

 

 

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手持ちで最も「ベタに糸引き」に近い仕様の菖蒲。説明に持ち出して、試し切りもして貰いました。

 

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切り刃は可成り平面に近いですね。

 

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裏の精度も結構高い製品で助かりました。栗蒸し羊羹と共に御出しした紅茶の缶が映っていますね。ウバ・ハイランド茶園です。

 

 

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刃金部分のみ、極限まで緩やかにハマグリにした上で糸引き。

 

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画像では差が分かり難いかも知れません。

 

 

 

 

神戸のS様、此の度は困難な中、再び講習を受けて頂き有難う御座いました。行き帰りを車で送迎させて頂きましたが之は、予定の日時を私の挙げた候補から選んで貰ったので、予定の立て直しをさせたく無かった為です。

ですので、少々強引な運びとなり申し訳有りませんでした。にも拘らず御土産に二種の魚を御持ち下さり、受講と合わせて御礼を申し上げます。有難う御座いました。今夜にも有難く頂きたいと思います。次回、御予定が御決まりに成りましたら御連絡をお待ちして居ります。

 

 

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追伸です

鰯・鯵ともに薄目の味付けとジューシーさで、とても美味しかったです。魚の干物は久し振りでもあり、感謝致します。

 

 

 

 

 

買い足して来た物(その2)

 

先月、小西さんからの電話により「きしな屋」さんの存在を知らされました。主として全国の旨い物を集めたセレクトショップ的な印象です。でも、桶や石鹸もあったかと。

其処で取り扱いのある包丁は、近年急速に有名になっているのですが、その鍛冶の方がイベントで来阪される際に、研ぎに関するアドバイスを。との事でした。

私の意見など必要性は低いのではと思いつつも、有り難い計らいに対して、可能な限り御協力は惜しまないと答えました。ついては①研ぎの話しなら現物を示しながらが良い②どうせなら、比較の為には当該包丁と同等が望ましい、と考えて椿包丁を買って来ました。

 

此方は、新しく出来た船場の方の店舗です。

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今日は二回目の来店ですが、拘りの醤油や温泉から採った塩など購入しました。

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そして真打の包丁です。五島列島で作られている、椿包丁。

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知名度は、自分もテレビで二・三度見かけた程で、1つの番組はドキュメンタリー大賞を取ったそうですね。その所為も有ってか二年待ちとも云われ、結構な品薄傾向らしいです。

 

 

 

 

新品の状態。刃体自体は厚みも適度に抜かれており、峰から見て大げさなテーパーで無いものの充分な印象。(更に抜けや走りを求めるなら切り刃の厚みや刃先角度の変化で対応は容易)

刃元から切っ先に掛けての刃線の連なりは、幾分厚みや角度のバラつきが見られるのに対して、鎬から刃先までの緩いハマグリ気味の面構成は秀逸。(左側中央は広範に薄目)

多くの和包丁に散見される、切り刃の全長に掛けて厚い・薄いの交互連続は避けられないが、最重要である刃金の状態は申し分無し。硬さと粘りがバランス良いので、結果的に弾力的と感じる実用的な仕上がりです。

テレビで出て来た、現地の方々が「良く切れる」「長く切れる」とコメントしていたので如何ほどか興味が有ったのですが、納得の刃金。標準品でしょうから青紙の筈だと思いますが、青を意識させる(どちらかと言うとネガな)感じは希薄です。

 

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砥いでみますが、元々薄目ですのでキングデラックスを使ってソロソロ。砥ぎ難さも無く、特に研磨力に優れる砥石を必要としません。

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切り刃の凹凸の凸部を、人造の小割り各種で均します。

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其の後、天然の巣板・戸前・千枚で仕上げます。切り刃の地金部分は、小割りの八枚(三種)・千枚で砥ぎ目を浅く。

一応、仮にですが研ぎ上がり。此れで切れと永切れ・錆び難さは実用上、充分ですので使いながら育てて行くつもりです。

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少し気に成ったのは刃金の先端部分。小さな欠けは、研ぎで取れるかと考えていたのですが居座っています。

此れだけなら、何でも無いのですが反対の刃先には随分長目に鍛接線にも似た線が。そして線の端が最も刃先の先端に接近した地点で欠けが発生している様に見えます。

地金よりも刃金に重要度が高いですが、組織の仕上がり(焼き加減・微細化加減)や皹の類いは、可なり細かく安定した研磨面で無いと判定が困難です。

天然砥石の相性の良い仕上げなら、深い傷や妙な光り方が邪魔しないので楽ですね。ですから、私は刃金部分こそを最大限、細かくてしっとり艶の出る砥石で仕上げるべきだと考えます。

しかし先々、研ぎ減った時に此処に悪影響が出なければ、現状は単に視覚的な気掛かりと言う以上の物では在りません。普通にガンガン使って行きたいと思います。

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森のステーション亀岡 グランドオープン

 

昨日の土曜は森のステーション亀岡で、改めてグランドオープンの式典と特別イベントが行われました。施設や機構の全容は複雑ですが、取り敢えず「天然砥石と匠の技」の二階のチョロギ村主催のレストランがオープンした事でやっと完成を見た格好です。館長からの応援要請で私も参加。

 

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交流会館前や、入った所のホールでは各種催しや来賓の挨拶が。

 

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二階のレストラン部分。奥の調理場は、広さも機材も可成り充実していました。

 

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砥石館では、現在絹織物の展示が併設。

 

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少し展示ブースは配置変換されていました。大工道具のブースでは、大鉋が目立ちます。

販売用砥石の中には既に、日本では少ないベルギーの砥石も並んでいます。

 

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子供に人気の鰹節削りですが、イベント中は殊に盛況で本枯れ節の消費量には館長もびっくりです。終盤には追加の袋を開ける位で。

 

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セルフでの砥石製作コースは、当日のみ半額サービスで合計40~50人が参加。開始時間前から並ぶ方も現れ、前半は作業台の空席待ちもしばしば。

 

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忙しい時間帯を外し、イベントの手伝いで来てくれていた常連さんに包丁を届けられました。

 

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味方屋作の三徳に続き、ペティも到着したので何とか今回、纏めて納品です。今までの味方屋作では、最も私好みの焼き加減の刃金で嬉しいです。先方も喜んでくれました。プレゼント用にするには惜しい位だと言いながら。

 

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以前、雨風醤油の粉末塩麴等を分けた御礼にと、常連さんから御返し。自分では一度くらい買ったかも程度に馴染みが無いドラゴンフルーツ。楽しみです。

 

 

 

三徳の方は、知り合いに向けての発注との事でしたので、予め刃先を一般向けに調整しました。会津・巣板・若狭と進めたのですが、その際に切り刃を余分に擦ってしまいました。修正する時間的な余裕が無かったので、念の為に新品も持参。

結果的に、実用するので問題無しと成りましたが、予備の新品も役に立ちました。御来場の中の研ぎ好きの方から、味方屋作包丁に付いて言及が。依頼した場合の納期について問われたので、この場にある事と今回の刃金の説明をして現物を見て頂きました。

奥方からの許可を得て御購入の流れに。加えて、長野に御住まいながら先々には研ぎ講習も視野に入れているとの事で、その際には又宜しく御願い致します。この度は御買い上げ有難う御座いました。

 

 

 

 

 

少し考えさせられた事

 

前回の記事の内容に付随して、改めて気付かされた点が有りました。それは自宅まで御足労頂く際の交通の便が、かなり悪い点です。

当然、私が出掛ける場合にも当てはまりますが、長年に亘り公共交通機関への依存度が下がっていたので、その意識が希薄になっていました。加えて、送って頂いた刃物を研いで返却するスタイルを念頭に置いていましたので直接の来訪を殆ど想定していなかったからです。

前回は電車の駅は遠いので、より近いバスの停留所から荷を背負い歩いて来られたO様でしたが、電車よりは便数が限られている都合上、帰りは不便でした。結果、御自宅付近まで車で御送りして事無きを得ましたが、何か打開策が必要と感じました。

往復の交通の便が悪いのならば寧ろ一歩進めて、もし私程度でも良いから研ぎ講習をと御要望下さる方がいらっしゃるなら、状況次第で此方から依頼者の方の御宅まで出向く事も有りかもと考えました。当座は、近隣に限られますし、砥石などを運ぶ為に車移動となるので駐車場の問題なども考慮する必要は有ります。

ですが、亀岡の天然砥石館での上級者向け研ぎ講習に相当する内容と移動距離を考えれば、近似のサービスとして仕事のオプションの扱いに加えても変では無いとの結論に達しました。出先での講習となれば、幾分は出来る事に制限が出るかも知れませんが、万一講習を御希望・加えて出掛けるのが厳しい人には、多少は喜んで頂けるかも知れません。

近頃、研ぎ講習・その他で御来訪を希望される方が増加の傾向にありますが、中々そうも行かない状況で上記内容に該当する方が居られましたら、御一考頂けましたら幸いです。曜日や時間帯などは、御相談の上にはなりますが。相変わらず殆ど電話には出られないかと思われますので、問い合わせフォームから御願い致します。